【実際の看護師給料明細】新卒看護師がどのくらい貰えるのか。高い?安い?【看護コラム】

もう看護師として働いている先輩のインスタみるとすごく高そうな物を載せてる!
やっぱり看護師って給料良いんだ!

こんな風に思ったことはありませんか?いつもキラキラしていて楽しそうなストーリーを載せている
私もいつか同じように!なんて考えるかもしれません。
ここでは、看護師給料に関する個人的な考察や実体験を載せていきます。



※給料明細は諸事情により大雑把に記載しますが、大体の数字はあっています
(コロナ以前の話です)
今回給料例をオープンにすることでお金の流れに関心を持って欲しいと思っております



さきに結論を言ってしまうと、

初任給は高い。さらに(女性に限り)全業種の平均年収約380万より約100万円高い約480万円
しかし勤続年数を重ねても昇給がゆるやかであり、手当が貰えるはずの役職数自体が少なく、夜勤をしなければ収入が大きく下がってしまう
働きに応じた営業手当や業績手当といったインセンティブもなく、頑張っても頑張らなくても給料が増えないなどモチベーションがたもちにくい


こんな風に言えます。後半の記載に失望した方もいるかと思いますが安心してください。
以下のようなメリットがあります。

  • 唯一無二の専門資格
  • いつでも安定した収入がもらえる
  • 全国どこでも働くことができる
  • 勤務先を選ぶことができる(需要が高くいつでも募集が多い)
  • ステップアップが明確(専門性を磨いた上位資格が多くある)
  • 身に着けた正しい医療知識は人生の役に立つ
  • 白衣は可愛い


…ちなみに男性は平均年収577万円に対し、看護師の平均年収506万円と下回っています
参考資料:国税庁「平均給与」 厚生労働省「令和2年賃金構造基本統計調査」
しかし管理人は男性ですが看護師という仕事が好きであり、後悔等はありません


それでは詳しい解説、実際の給与明細を以下に載せていきます。

目次

用語の意味

お金に関する用語に関して、認識が人によって異なることがあるため解説していきます。
(細かくすると分かりにくいため、ざっくりとした表現にしています)

収入とは・・・
基本給、各種手当(資格手当、夜勤手当、住宅手当、皆勤手当など)、地域手当、交通費など支給されるものを合計した総額のこと。所得税や社会保険料などが引かれる前の総支給額。
例:時給1,000円×120時間+交通費5,000円=125,000円
       ≒額面、税込み給与

手取りとは・・・
上記の収入ー(社会保障料+税金等+様々な名目で明細から引かれるもの)=控除のこと
つまり、実際に手元に残るもの。
例:時給1,000円×120時間+交通費5,000円

      ー(社会保障料500円+税金3,000円+まかない1,500円)=120,000円
       ≒給与所得額、税引き後収入、可処分所得(自分が実際に使えるお金)

 

 


よくある「年収いくら?」と聞かれたら一般的には収入の方を答えます
賞与も税金などが引かれるため、賞与収入が60万なら手取りは45万くらいになります

 

 

給料を意識する際は、基本給が1番大事になります。
手当がたくさんついており見た目の月収が高くても、残業手当の額や賞与は基本給に基づいて計算されます。
ぜひ覚えておいてください。

実際の給与明細の条件

  • 専門学校卒業 正看護師
  • 残業代は全額支給(残業1時間換算≒2000円)
  • 夜勤手当1回≒12000円
  • 人口15万人程度の中核都市手前の地域
  • 3次救急指定病院 病床数500床超

  ※年度別に計算しています(4月~3月)

看護師1年目

※1年目の1月に昇給が少しあったため、基本給は平均ぐらいを算出してます
※夜勤は11月頃より徐々に入りだしています。回数も記入しておきます
※細かい手当は別名でざっくりまとめてあります(住宅手当はなし)
※大卒正看護師の場合、基本給+6000円程度になります。

収入(月) ⇒ = (年額)控除(月) ⇒ = (年額)手取り
基本給
217,000円
⇒×12月=2,604,000円
 社会保険料
33,000円
⇒×12月=396,000円
業務手当
13,000円
⇒×12月=156,000円
所得税
6,000円
⇒×12月=72,000円
資格手当
7,000円
⇒×12月=84,000円
その他会費等
4,000円
⇒12月=48,000円
夜勤手当
12,000円
⇒×17回=204,000円
残業手当
2,000円
⇒×125時間=250,000円
(賞与)
夏 140,000円社保20,000円+税5,000円
=25,000円
冬+期末 560,000円 社保78,000円+税30,000円
=108,000円
計:3,998,000円計:649,000円3,349,000円

看護師1年目 考察

看護師1年目収入
月収
夜勤前+残業少ない ⇒ 24万円 ⇒ 20万円(手取り)
夜勤3回+残業18h ⇒ 30万円 ⇒ 25万5000円(手取り)


年収
400万円 ⇒ 335万円(手取り)

どうでしたか?
20代の平均年収は341万円(男性363万円・女性317万円)というデータがあります。
参考:doda発表「最新平均年収ランキング【年代別】」
つまり、専門卒21歳の時点の年収で20代の平均年収を上回っています。

このことからも、看護師の初任給は高いと言えます。

看護師2年目

※1年目の条件に加えて、2年目からは住民税(前年の所得課税額×10%)が課されます。
(一般的に2年目の給料が1年目より低くなるというのはこの住民税が関連してます)
※看護師2年目~は毎年の昇給はあるものの、給料は基本的に変化がありません。

収入(月) ⇒ = (年額)控除(月) ⇒ = (年額)手取り
基本給
225,000円
⇒×12月=2,700,000円
 社会保険料
45,000円
⇒×12月=540,000円
業務手当
13,500円
⇒×12月=162,000円
所得税
7,500円
⇒×12月=90,000円
資格手当
5,000円
⇒×12月=60,000円
住民税
10,000円
⇒×12月=120,000円
夜勤手当
12,000円
⇒×51回=612,000円
その他会費等
4,000円
⇒12月=48,000円
残業手当
2,000円
⇒×159時間=318,000円
(賞与)
夏 530,000円社保75,000円+税30,000円
=105,000円
冬+期末 570,000円 社保80,000円+税30,000円
=110,000円
計:4,952,000円計:1,013,000円3,939,000円

看護師2年目 考察

看護師2年目収入

平均月収
32万 ⇒ 26万(手取り)

年収
495万円 ⇒ 393万円(手取り)

年収自体は1年目より約100万円上昇していますが、これは夜勤回数+残業の増加によるものが大きいです。看護師2年目以降、役職が付いたり自身で認定などの上位資格を取るまでは緩やかな上昇が続きます。


この役職ですが、看護師というのは会社でいう看護部という一つの部署でしかなく、昇進するのが非常に狭き門となっています。病棟には看護師が30~40名ほどいましたが、師長1名と主任2~3名以外は全員ヒラ社員扱いとなります。部署内の母数が多いため、20年と勤続していてもヒラ看護師の方が多くいました。

ここでも看護師の給料は管理職になりにくく、爆発力がなく、夜勤や残業がなければ明らかに収入が減少してしまうと言えます。

老人保健施設1年目(経験年数3~5年未満)

※住宅手当あり(約1万円)

収入(月) ⇒ = (年額)控除(月) ⇒ = (年額)手取り
基本給
184,000円
⇒×12月=2,208,000円
 社会保険料
45,000円
⇒×12月=540,000円
業務手当
20,000円
⇒×12月=240,000円
所得税
7,500円
⇒×12月=90,000円
加給手当
20,000円
⇒×12月=240,000円
住民税
200,000円(年額)
住宅手当
10,000円
⇒×12=120,000円
夜勤手当
10,000円
⇒×60回=600,000円
残業手当
1,700円
⇒×70時間=119,000円
休日割増手当
4,000円
⇒×24日=96,000円
(賞与)
春・夏 220,000円社保30,000円+税12,000円
=42,000円
冬 460,000円 社保65,000円+税25,000円
=90,000円
計:4,303,000円計:962,000円3,341,000

老人保健施設1年目 考察

老人保健施設看護師1年目収入

平均月収
32万 ⇒ 26万(手取り)

年収
430万円 ⇒ 334万円(手取り)

老人保健施設は【介護保険】で運用されているため、医療職の看護師給料は低めに運用されているケースが多いと感じます。

民間の法人に多い傾向すが、基本給を低めに抑え、〇〇手当として給料を多く見せているパターンでした。医療福祉業界にはよく見られる給与明細だと思います。

   勤務先別の看護師の給料【ざっくり私見】

急性期病院(3次救急) > 精神科病院 > 慢性期病院(2次救急) > 訪問看護 > 療養 or リハビリ病院 > 老健 > クリニック > 通所系 > 介護系

全体考察・まとめ

以前より国内の看護師・介護士・保育士などのエッセンシャルワーカーは業務の大変さに比べて給料が安いという指摘がされており、やりがい搾取だともネット上でよく目にします

それに対して2022年2月から行われるのが看護師などの給料の引き上げです
近い将来、働きに応じた給料水準になることを願っています

最後に、日本では給料や貯蓄、投資などのお金に関することは義務教育で学ぶことなく、いきなり社会に出てから直面することが非常に多いとされています
しかしお金の話は汚いというイメージがあり、ある意味タブーのようになっていますが…

お金は大事!

だからこそ、お金を稼ぐ!貯める!使う!増やす!ことに関心を持って欲しいです。

学生の内は、給料のことよりも目先の課題や実習、国家試験のことで頭がいっぱいになると思います。
しかし、看護師は新卒時代からある一定以上の水準の給料をもらうことができます
就職してからでも十分間に合いますので、お金について理解を深め、思い出のため散財してしまうのも良いですが、このページを見た後、将来のことを見据えて計画的に考えて頂ければ嬉しいです。

(外部リンク)看護roo運営の給料明細共有サイト

看護roo(株式会社クイック)が運営している全国の看護師の給料、投稿型サイトになります。
たまに情報の正確性が怪しい部分があるので、参考程度に見てください。

    看護師さんの給料・年収がわかるナース専用サイト

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