【全看護実習の解説】専門看護学生の実習一覧

看護実習と一言で言っても、実は何種類もあり、またある程度決まった順番もあります。

このページでは、看護師を目指している、または一般の方向けに看護実習の詳細を解説をしていきます。

管理人は3年制の専門学校へ通っていたため、4年制の看護大学とは異なるところがあると思います
ご了承ください。また自己の体験による記事です。

目次

3年間の臨地実習の予定表

看護学生は1年中実習をしているとよく思われがちですが、実は3年生だけで、1,2年生は学内で講義や演習(学校内に病棟を模した設備がある)を行っています。

実習といっても、実際の病院で本物の患者さんと関わるため、最低限の知識を学んでいないと意味がありません。そのため、最後の方に実習が組み込まれていることが多いです。

私の学校では3年生の11月に全実習が終了し、12月下旬に看護研究発表、以降国家試験まで勉強という流れでした

ちなみに管理人は、入学時のオリエンテーションで教師より

「この3年間、看護師国家試験を受けるまで、合計3015時間の必須単位があり、
   そのなかで臨地実習は1035時間ある。今のうちに仲良くなれ。」

と言われました。看護実習は非常につらく、今でもよく耐えれたなと感じています。
給料を貰い働いている今の方が何倍も楽なレベルです…

各実習の解説

様々な実習がありますが、受け入れ先によっては大人数で同時の実習が出来ないため、クラスでいくつかのグループに分かれ、別々の実習を行っていました。ここでは、それぞれの実習の解説と私の私見を述べています。

基本1つの実習は連続3週間で、週の真ん中(水曜)に帰校日があったりなかったりでした。
実習によって期間中、2ヶ所・3ヶ所まわることもありました。

基礎看護学実習 (135時間)

1年生の前期と後期にある登竜門的な実習。学生2人に患者さん1人。

【基礎Ⅰ】病院・看護場面を見学し、対象の療養生活と看護活動を知る。また患者さんと直接コミュニケーションを実践し、自己の傾向を知り、看護職として基本的な態度を身につける。

【基礎Ⅱ】患者さんに実施されている日常生活援助のケアを見学し、援助の必要性を理解する。
また、簡単な日常生活援助を原則に基づいて安全・安楽に実施する。

コミュニケーションが主。基礎Ⅱでは患者さんの身体にさわる簡単な援助を行うことも。
ここで単位が取れず(合格できず)留年や自主退学してしまう生徒がわずかにいたりする。

担当する患者さんは基本的に穏やかでコミュニケーションが取れるくらいの容態が安定した人が多い。そのためか患者さんが退院してしまい、週明け病棟に来たら新しい患者さんになっていることもある。

毎日毎日、朝も昼もコミュニケーションのため、話すことがないのに担当講師から「患者さんのとこ行ってきな」と言われる。
患者さんところに行くと「さっき来たね」と言われる。どうしろと

ただ担当患者さんも退屈している高齢者の方が多いため、気が合うと楽しい実習。自宅で行う看護記録も少ない。日記みたい

看護過程が実践される以降の実習から地獄の日々が始まる

成人看護学実習 (270時間)

Ⅰ、Ⅱ、Ⅲと分けられ、それぞれ異なる背景にある患者さんを担当する。
Ⅰ、Ⅱは学生2名:患者1名。Ⅲは学生1名:患者1名だったはず。

ざっくり解説すると、成人期における発達段階の特徴を踏まえ、健康に関する知識、技術を統合し、様々な健康レベルにある対象の生活と生命を守ることを目的とした健康上の課題・健康の保持に対する看護を学ぶ実習

【成人Ⅰ】障害をもちながら生活し、日常生活援助が必要な患者さんを身体的・精神的・社会的状況から生活者として取られ、看護過程を通して、生活の再構築に必要な看護実践を学ぶ

【成人Ⅱ】健康の慢性的な揺らぎの再調整を必要とする対象を捉え、どのような状況にあってもその人らしく生きて生活できるよう支援するための看護実践を学ぶ

【成人Ⅲ】健康の急激な破綻をきたした対象を捉え、回復に向けた看護の実践を学ぶ。また様々な背景を持つ対象に応じた円滑な人間関係を築く能力を身につける

成人期といいつつ、結局大半が高齢者が担当患者になる。全身清拭や陰部洗浄、洗髪や手浴足浴といった身体援助も指導者や教員に見守られつつ、がっつりやる。無給。

成人ⅠとⅡはいわゆる慢性期の患者さんが対象。病気や症状が落ち着いており、痛みなどが少ない。Ⅰは主に情報収集と看護過程の展開の訓練、成人Ⅱはそこからさらに本格的な看護実践に応用させていくというイメージ

成人Ⅲは急性期が対象。少し前に救急車で運ばれてきたよ、点滴で薬品を流して薬も調整中って患者さんが対象。もしくは予定の手術入院で術前から術後の回復期を担当する

特に成人Ⅲの看護過程は1日ごとに患者さんの状態が急速に変化するため、帰宅してからの記録がやばく、3時間寝れたらマシだった。あと半年の我慢で国家試験だけど、この実習に耐えきれず退学したクラスメイトもいる。最難関実習。

余談だが、管理人は成人Ⅲの指導者(病棟看護師)が男嫌いな人で、学習ノートや看護過程の記録をろくに見ずに単位を不合格にされそうになった過去がある。さらに担当教員が新人であったため強く言ってくれず、病棟師長に直談判した思い出

精神看護学実習 (90時間)

精神病院の病棟で2週間、併設デイケア+B型就労施設で1週間の実習。病棟では学生1名:患者1名

名前の通り、体は元気だけど心が病気してしまった患者さんを担当する。自分は開放病棟だったので比較的軽い患者さんを担当していた。病棟のイメージ的には漫画の「ブラックジャックによろしく」の精神病棟編が近い。廊下に複数うずくまっている人がいるのが普通。

【精神実習】こころの健康障害がある対象を理解し、その人らしくより良く生きることを目的とした自己決定を支援する看護を学ぶ。社会復帰施設では、その地域で生活する人の理解を深め、その人らしくより良く生きることを目的とし、自立に向けた支援や地域で暮らす人の生活の場を理解する。

身体は元気な20〜60代の男女を担当する。学生が担当する方は比較的陽性症状がなく落ちついてコミュニケーションが行える人が主。実習中だが、日中担当患者さんとテーブルゲームや麻雀をしたりする。朝の病棟ではラジオ体操にも参加した。病気を見るというより、その人を見る実習。記録も少なめだが、これまでの実習と全く異なる病気に触れるため、事前学習や実習中でも自己学習が必須。

はじめてみる現場で新鮮な実習だった。医師も慌ただしくなく、問診もじっくり時間をかけていた。

老年看護学実習 (180時間)

老年Ⅰは、グループホーム・デイサービス・特別養護老人ホーム・老人保健施設などの介護施設に3週間
老年Ⅱは、病院に3週間の実習。学生1名:患者1名

【老年Ⅰ】老化および健康障害をもちながら地域社会で生活している高齢者の理解を深め、自立に向けた日常生活援助が実施できる能力と高齢者に対して尊重した態度やコミュニケーション技術を身につける。また、他職種との連携や看護の役割について学び、保健医療福祉の課題について考える機会をもつ

【老年Ⅱ】病院に入院中の高齢者の看護について学ぶとともに、人生最期のときを過ごす高齢者の生について考える。高齢者特有の健康障害について理解し、アセスメントと看護実践力を強化する。また、チーム医療や社会福祉資源の活用、家族との連携が重要となる。自立支援やQOL向上を目指した援助が実践できる能力を身につける

老年1の実習ではじめて看護師ではなく介護士やケアマネジャー、社会福祉士が現場の指導者になり教わる機会になった。看護過程の展開はなく、記録も少なめ。高齢者とのコミュニケーションが問題なく出来れば可。デイサービスでは風船バレーをしたりする。デイサービスの最期にグループ4人で何かレクリエーションを企画して行うということで、ボウリングをやった記憶がある。認知症があり、TVを見てて1つのCM中に3回名前を聞かれたのが印象的。

老年Ⅱは、成人ⅠやⅡと同じような患者さんを担当。入院している方はほとんどが高齢者のため成人実習も老年実習もあまり変わらない。看護過程はがっつりやる。記録はまずまず大変。成人より老年変化をわざとらしく盛り込む必要あり。

小児看護学実習 (90時間)

保育園実習が1週間、病院実習が2週間。学生1名:患児1名。

【小児実習】
 (保育園)健康な小児の成長・発達の実際を観察し、基本的生活習慣獲得への援助を体験することで、健康な小児を理解し保育の基本を学ぶ。コミュニケーション技術も習得する。
 (小児病棟)健康上の課題を考え、小児とその家族に対する看護の実際を学ぶ。成人との違いを生麩。小児の特性を考え、安全への管理や援助を行い、家族も視野にいれた看護実践を学ぶ

保育園では、保育士さんが実習指導者となった。忙しそうでいつも機嫌が悪そう。若い職員は優しかったけど、ある程度の年齢層から看護学生は無視される。昼過ぎに大きなホールで子供たちを寝かしつけ、その時に1時間休憩を貰ったが、ホールに戻っても職員のメンバーが変わっていない。皆さん休憩は?

人懐っこい子もいれば、人見知りな子もいる。すぐ泣く子もいれば泣くのを我慢して震える子もいた。ほんと多様。

病棟実習では、どこに点滴が入ってるか驚くくらい身体の形態機能やバイタルサインが大人とかなり異なる。初顔合わせで泣かれる。おもちゃで興味を誘う。キョウリュウジャー?が好きだとかで深夜2時くらいに記録が終わってから勉強する。同じ顔に見える

基本的に小児は母親と同室であることが多く、身体的な援助はすべて母親が行うため、情報収集、アセスメント、コミュニケーションや安全管理の提案などが主になる。遊ぶことも小児にとって非常に大事な要素となる。家族の疲弊がないかなども重要な観察点になる

母性看護学実習 (90時間)

妊娠〜出産・産後〜褥婦までを対象とする。外来実習が数日、それ以外病棟実習。

基本的に学生1名:患者1名だが、男子学生のみ女子学生とペアで2:1だった

【母性実習】成熟期の女性のマタニティサイクルに焦点をあて、妊婦・産婦・褥婦および新生児とその家族を理解し、褥婦のセルフケアを促進する援助や愛着形成を促し、母親としての成長を支援する看護を学ぶ。また、生命の尊厳について考え、実際に援助することで、母子相互作用を目の当たりにし、母性観・父性観を深める機会とする

外来では妊婦さんのエコーや胎児心音などの検査を見学させてもらう。リアルタイムのエコーで感動。

病棟実習では患者本人が同意したため、グループ4人で出産現場を見学できた(男子学生は下半身側に行ってはいけない)。患者さんの夫に会釈するもちょっと気まずい。

産婦人科の病棟では基本的に患者さんのストレスにならないよう男子禁制とされており、実習中はペアの女子学生と離れないように言われる。

新生児の沐浴や、反射の有無などといった観察項目を実際にやってみる。学内の模型で何度もやったが緊張した

在宅看護学実習 (90時間)

訪問看護ステーションで3週間の実習

病棟と違い事務所に看護師数人という小規模で近くに患者もおらず、ナースコールもほぼならずアットホームな雰囲気

朝事務所に行って、看護師さんが運転する車に学生が1名ずつ乗り込み出発。家や施設を数回まわり昼に事務所で休憩。休憩終わったらまた車で出発し夕方に帰ってくる。

【在宅実習】訪問看護を必要とする在宅療養者とその家族に適切な援助ができるように在宅看護家庭の展開を通し、適切な判断と主体的な看護が実践できる能力を養う。さらに他職種が連携した在宅医療を推進するための看護師の役割を学ぶ

看護師が医療機器や同じベッドが並ぶ病院の病室ではなく、それぞれの家に赴き健康確認や処置をする新鮮な実習で面白かった。医師とも連携し、必要時は看護師からすぐに状態を情報共有できるという画期的なシステムに思えた。

この実習でも一人の患者さんを担当し、実習日はその患者さんの家に行く看護師に付き添いコミュニケーションや病態の把握、看護過程を展開した。家庭にある物で工夫した洗髪などの援助も行った。認知症もなく豪快に笑う人だった。

住み慣れた自宅で妻が一緒にいるという安心感は病院のベッドでは感じられないと思う。

次の統合実習は受け持ちをしないため、看護学生中の受け持ち患者さんとして最後の人だったが、自分が看護学校を卒業する前に奥さんを残し旅立たれていたと後日聞いた

統合実習 (90単位)

看護学生最後の実習。ここまで実習に耐えれてたなら99%落とさない実習。ボーナス実習とも呼んでいた

【統合実習】卒業後、臨床にスムーズに適応することを目的としている実習。複数の患者を同時に受け持ち、ケアマネジメントと看護サービスマネジメントを学び、常に安全を念頭に看護を提供する方法を学ぶ。また病院組織の一員としての看護師の役割を理解し、チーム医療の重要性を学ぶ

これまでの実習とは内容が異なり、その日の病棟リーダー(看護師)や病棟看護師長、病院全体の看護局長などについて行く実習。患者さんを1人受け持ち、徹底的に病気や看護計画を立案するのではなく、浅く広い視点で行う実習。

管理人が病棟師長についていった時は、朝の朝礼(各病棟の師長が集まる)でICUにいるDNARの人工呼吸器つけた患者さんをどの病棟に移すか揉めてた。学生の前で揉めるなと。

それ以外にも看護学生3人ほどで、5人の患者さんを受け持つ。学生1人はリーダーとして学生2人の動きを指示したり時間管理をする。これをローテーションする。受け持つ学生も細かく看護過程を展開する必要はなく、ざっくりとアセスメントして身体援助に入る。

非常に実務に近い動きをする。帰宅してからの記録も少ない。毎日やることに違いがあるため行動目標もたてやすい。

3年間の最後の実習であり、よほどのことをしなければ不合格にならないため、みんなウキウキしてる

過酷な実習期間中の1日スケジュール

看護実習がよく過酷と言われるのは、実習1日が終わり帰宅した後の記録にあります

実習時間中、分からないことがあり指導者や教員に聞いても「まず自分で調べなさい」とほぼ100%言われます。
また患者さんの病態が分からなければ実習の意味がないと言われ、患者さんに接するためにほぼ強制的な自己学習をしなければなりません。

ここでは実際の実習期間中の1日の流れを載せていきます

時間内容
6:00起床
7:20車で出発(病院までに1〜2人の学生を乗せることも)
8:10病院到着 更衣室で学校の白衣に着替える
8:30学生カンファレンスルームで学生全員集合(最大6グループ 計40人)
9:00病棟到着 教員を先頭に邪魔にならないようグループ4〜6人で列になり進む
9:05病棟看護師全体に「おはようございます!○○学校実習生○人です。本日も宜しくお願いします!」
9:10指導者に挨拶。今日の行動目標を発表。ダメ出し
9:30電子カルテで情報収集 午前中の援助の見学・実施
12:00休憩「学生○名お昼休憩頂きます!午前中の実習ありがとうございました!」
13:00休憩終わり「学生○名お昼休憩頂きました!午後からもよろしくお願いします!」
13:05電子カルテで情報収集 午後の援助 リハビリ見学
15:30ショートカンファレンス
16:00指導者・教員からの1日の総括 明日の予定確認
16:30学生カンファレンスルームに戻る 学生全員集合 たまに泣いてる子いる
17:00実習時間終了 私服に着替えて帰る
18:00乗せた学生を家に送り帰宅
18:30夕食 入浴 TV観て頭をリセット
19:30〜23:00睡眠確保
23:00実習ノートに永遠と記録 専門書見ながら学習記録 看護過程記録
4:00〜6:00記録終われば寝れる

各スケジュールの解説

起床

憂鬱な時間。患者さんに会えるのは楽しみ

車で出発

クラスで約40名くらいいるが、基本的に車の台数は制限があり、乗り合いは必須。管理人は少し遠い距離にあったため、毎回車を許されていた。実習病院や施設は様々で、クラスで車5台で駅から遠い病院の時は少し揉めた

病院近くの学生は自転車で通える。原付きの学生も数人いた。

病院到着

到着するともう逃げれないので、逆にふっきれる。クラスメイトと更衣室で会うと安心する。何時間眠れたか必ずといっていいほど話す。病院の職員と共同の大きい更衣室だと、少し大きな声を出すだけでクレームがくる。黙々と着替える。

学生カンファレンスルーム到着

その病院で実習のクラスメイトが全員集合する。グループごとに座り1日の計画や夕方のショートカンファレンスのテーマを話し合う。基本個室を与えられているため自由に喋れる。学校の教員も集まってくる。連絡事項とかもある。

病棟到着

グループ担当の教員を先頭にドラクエみたいに列になり進む。全員でエレベーターに乗るため、途中の階で乗ってくる職員が乗れないこともある。すれ違う人には笑顔で挨拶。

病棟・指導者に挨拶

ちょうど病棟のナースステーションでも朝礼をやっていたりする。静かに整列し、終わり際に全体に大きな声で挨拶する。実習初日とかだと、ひとりひとり実習目標を言うこともある。早く動き出したい病棟看護師さんも最後まで聞く決まりの様で、不機嫌な顔で見てくる。病棟により、学生挨拶を無視するところもある。

全体挨拶後、指導者が学生テーブルに来る。「○○受け持ちの○○さん、今週退院決まったから」は最悪。その患者さん用の記録はすべて無意味となり、新しい患者さんの情報収集、看護過程の展開をしろということ。

一人ずつ指導者に今日の行動目標を発表。「で?それだけ?何がしたいの?それでいいの?浅い」朝から心折れる

目標が通らないと練り直し → ループ → 朝の援助時間すぎる(清拭など) → 「今日何しに来たの?」

※優しい指導者さんもいる

午前中の援助 情報収集

寝たきりや車椅子など高齢でADL(身体機能)が低下している人が多い。全身清拭、陰部洗浄、更衣、シーツ交換、環境整備(掃除)、手浴、足浴、洗髪などを出来れば午前中に行う。

時間が空いたり、担当患者さんが検査などでいなければ電子カルテで情報収集チャンス。良い病院だと学生テーブルに電子カルテを1.2個置いてくれる。学生が順番にみるためじっくり使えない。ナースステーション内の空いてるPCも使っていいと言われるが、流動的に忙しそうな医師や看護師が使うため満足に使えない。「使うからどいて」とよく言われる。

慣れない電子カルテシステムで、医師記録・看護記録・リハビリ記録・採血結果・検査結果・既往歴・薬歴・フェイスシート・看護過程に必要な各情報を限られた時間で手書きの手帳に控えて収集しなければいけないため、想像以上に時間がかかる。

※看護師として働けば採血結果なども要所をおさえれるが、学生にはどれが重要な情報か分からず、抜けていれば指導が入るため、全て記録していた。印刷して持ち帰ることも個人情報で禁止されているため、すべて手書きで控えなければならない

昼休憩

1時間しっかり取れる。入る時に必ず病棟に向かい一言いわなければいけない。

病院の職員食堂があれば最高。なければ各自弁当や売店、コンビニで買って学生カンファレンスルームで食べる。

昼休憩終了

病棟に戻り、看護師さんに向かって一言。無視されたりするけど忙しいため仕方ない。

午後の病棟実習

午前中と基本的に同じ。患者さんとコミュニケーションをしたり電子カルテで情報収集したりする。援助は基本午前中に終わらせる。本人から情報収集しないといけないこともあり、尋問みたいな感じになる学生もいる。

リハビリが午後に入ることが多く、指導者に許可を貰い見学で付き添ったりする。リハビリ室は落ち着く。リアルタイムのADLも観察できる。リハビリ士は質問にその場で答えてくれるため、リハ室に移動中などよく聞いてた。

ショートカンファレンス

毎日夕方にある。30分程度の会議みたいなもの。グループの学生、指導者、教員が参加し、学生のみで30分進行する。
テーマは毎回学生が考え、資料がある時は指導者に渡すため必ず朝までに印刷コピーする。

発言が苦手な学生にとっては地獄の時間。無言の時間が続くと指導者の圧が怖い。毎日毎日テーマを考えるのが辛い

管理人はグループワークが苦じゃなかったため、ずっと喋っていたこともある。

実習最終日などはショートではなく、1時間のカンファレンスをすることもある。

指導者・教員からの総括

指導者「お疲れ様でした・・」からの言葉が怖い。あまり褒められた記憶はない。

それぞれ足りない知識や技術を指摘されるくださる。つまり、明日までにノートに書いて自己学習してこいよということ。睡眠時間が減る。

「疾患の知識が足りてない学生が多いので、学習が出来ている管理人さんは明日のカンファまでに資料を作ってきてください」と言われたこともある。通常の記録に追加して資料作成した。徹夜

学生カンファレンスルーム到着 着替え

他のグループの顔も疲れている。早く帰りたい。厳しい指導があったのか泣いてる子と慰めている子がいる。そっとしておく。

帰宅 夕食 入浴 TV

乗せてきた学生を送り届ける。夕食、入浴。TVを観てると日常に戻ってきたと実感する。

入眠

人によるが、自分はこの時間まず寝ていた。睡眠は3時間は最低限確保したかったから。それで朝までに記録が学習が終わらなかったらもう諦めるしかないと思っていた。

記録

1日の振り返りを書く。情報収集した内容を実習ノートに反映。看護過程を展開。専門書をめくるが終わりがない。

外が明るくなっていく。

まとめ

看護実習は過酷でした。

頭も身体も手もギリギリで、睡眠も充分に取れず、指導者や教員からは怒られ、分からないことはまず自分で調べなければいけない。

働くようになって同僚の看護師と話しても

「実習はもう二度とやりたくない、やれない」

と、ほとんどの人が言います。私もそうです。

だけど、「やって良かったか?」と聞かれたら「経験できたのは良かったかも」と答えると思います。

医療職であり、業務として一瞬の判断が生死に絡んだ経験もあります。誰でも簡単に気軽に取得できてしまうと、それはそれで問題が出てしまう気がします。実習期間中でも本気で医療の勉強をして患者さんと向き合い情報を集めアセスメントを行う。そんな経験が出来たことは良かったと言えるかもしれません。

ただ、だからといって過酷な実習を行ってもいいということにはならないと思います。

看護学生へ

看護実習が辛ければ、そのことを周囲、教員、指導者、なんなら病棟師長や学校長へすぐ言ってください。

あなたの体や心は何よりも優先させることです。

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